H27.10.14  マイナンバー制度を考える

 

2015/10/14

 

いよいよ、何かと話題のマイナンバーが今月末から通知されます。

 

企業などは従業員のマイナンバーの把握など、まだしばらくは対応に時間を取られそうです。

 

 

ところで、マイナンバーは「行政手続における特定個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(番号法)による規制のもとで運用されますが、なんせ多くの個人情報をひとまとめにする制度ですので個人情報の流出や悪用などのリスクが問題視されています。

 

少し前に「住基カード」が交付されたことは記憶に新しいですが、「住基カード」は4情報(氏名、住所、性別、生年月日)のみを取り扱うもので、民間利用は禁じられていたという点でマイナンバー制度とは異なります。

(マイナンバー制度は、当初は社会保障・税・災害対策の分野での利用を予定していますが、今後あらゆる情報が紐付けされ民間利用も予定されています。)

 

年明け1月からマイナンバーの利用が開始しますが、それに先立ち、すでにマイナンバーをめぐる問題が生じているようです。

 

つい最近も、偽のマイナンバーを通知した上で、巧妙にその番号を貸すことに同意をさせて、番号を貸したことは違法だとしてお金を請求する「マイナンバー詐欺」が起きていると新聞で報道されていました。

 

また、マイナンバーが通知されると、その番号の取扱にも慎重である必要があります。

万が一、マイナンバーの通知カードが第三者の手に渡ってしまった場合、身分証を偽造するなどすれば自分の番号を使って別人が番号カードを作ることができてしまいます。

番号カードは身分証としても利用できるので、番号カードを偽造されると自分になりすまして他人が様々な手続きをしてしまうおそれがあるのです。

身分証の偽造は容易ではないので、そのようなことが簡単に起きるとは言えませんが、リスク管理の面からは、そのような危険を踏まえて通知カードを慎重に取り扱う必要があります。

 

 

このように、マイナンバーの通知カードは慎重に取り扱う必要がありますが、それについて疑問を感じる出来事を知人から聞きました。

 

 

知人は、つい最近引越しをして、ある市町村に転出届を出しました。

その際、市役所の窓口のお姉さんにこのように言われたそうです。

 

「今月末に、旧住所にマイナンバーの通知カードが届きますが、誰か受取りをしていただける方はいますか?」

 

知人の旧住所は明らかに単身マンションであり、一人世帯です。

知人は、「どう考えても誰か受取りをしていただける方なんているわけないでしょ・・・」と半ば呆れながら、こう答えたそうです。

 

「すでに旧住所のマンションは退去しているので、誰も受取りません。

でも、郵便局に転送届を提出済みですので大丈夫かと思います。」

 

 

すると、市役所の窓口のお姉さんは続けてこう言ったそうです。

 

 

「マイナンバーの通知カードが大切な郵便物なので、転送届は適用されません。なので、旧住所に配達されますが、不在で受け取られなければ郵便局に戻りますので、その後受け取ってください。」

 

 

知人は絶句しました。

 

 

「旧住所に配達した結果、すでに次の賃借人が居住していて誤ってであれ故意であれ、受け取ってしまった場合はどうするんでしょうか?

 配送員は逐一本人確認するのでしょうか?

それとも、私であると偽ってサインしたらそのまま渡すのでしょうか?」

 

 

市役所のお姉さんは、「ちょっとわからないので確認します」と席を立ち、しばらくすると戻ってきて、こう言ったそうです。

 

 

「配送員は本人確認まではしないそうです。ただ、もう10月26日から郵便局が順次配送してしまうので、郵便局に問合せをしてもらわないとどうしようもできません。

 旧住所に配送されたくない場合は、すでに郵便局に通知カードが保管されていて、なおかつ配送が開始されていない10月23日に、郵便局に連絡をして新住所に郵送するよう言ってください。」

 

 

 

どうなんでしょうか。

 

この、郵便局に丸投げの対応は。

そして、誤送のリスクを国民自身に転嫁するこの対応は。

 

 

「大切な郵便物なので転送届は適用されません。」

といいながら、誰がいるかもわからない旧住所にとりあえず届けるというこのツメの甘さ。

 

通知カードの発送の段階からこんな杜撰な情報管理で、今後大丈夫なのかなぁと、マイナンバー制度の前途が危惧されるエピソードでした。

 

 

最近引越しをされた方、引越しを予定している方は、ぜひ注意してみてください。

 

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