給与所得者等再生について

給与所得者等再生について

個人再生には、小規模個人再生と、給与所得者等再生の2種類があります。


給与所得者等再生は、


・過去に破産による免責・再生計画の認可を受けている場合には、7年間利用できません。


・過去2年間の収入の変動が5分の1以内であることが必要です。


・債権者による書面決議がありません。

(1)利用するための要件

給与所得者等再生は、


①債務額が5000万円以下の個人債務者で、


②給与又はこれに類する定期的な収入を得る見込みがあり、その変動の幅が小さいと見込まれる方


③原則として3年間、最長5年間で


④可処分所得以上の額を弁済すれば、残債務の免除を受けられる


という手続です。
これらの要件を満たす場合にしか給与所得者等再生は利用できません。

(2)再生の手続の流れ

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(3)債務の減額

給与所得者等再生では、債務額、総財産額に応じて債務の一部が免除されます。債務の免除については、次のルールがあります。

①清算価値保障のルール

小規模個人再生による弁済は、総資産額(清算価値算出シートにより算出)を下回ることはできません。

②最低弁済額

基準債権額(総債務額から住宅ローン債務のような担保付債務を除いた額)が


3000万円以下なら  その5分の1または100万円のいずれか多い方の額


3000万円以上5000万円以下なら  その10分の1以上

②可処分所得弁済ルール

給与所得者等再生では、債務者の手取り収入から、債務者とその家族の最低限度の生活を維持するのに必要な1年分の費用を差し引いた額(可処分所得)の2年分以上を弁済しなければなりません。


可処分所得の算出に当たっては、裁判所が作成した「可処分所得額算出シート」に従って計算します。


以上のように、給与所得者等再生は、小規模個人再生に比べ要件が加重されています。その代り、債権者の書面決議はありませんので、債権者が反対していても再生することができます。


実際には債権者から再生計画に異議が出ることは少なく、小規模個人再生の方が給与所得者等再生よりも利用率が高くなっています。

※コンテンツ内で事例をご紹介する場合、作成当時の法律に基づきますので最新の判例と異なる可能性があります

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