注目判例のご紹介

定期借家契約

定期借家契約

大家さんの都合で立退きを求められたので立退料をもらった,という話はときどきありますね。建物の賃貸借契約は,賃借人にとっては生活の基盤にかかわるものですから,借地借家法という法律によって厚く保護されてい…

東京地裁H25.5.14 入居者の不法行為が原因で近隣入居者が退去してしまった場合の賃貸人の損害

 マンションの入居者Cの飼い犬が,他の入居者Aにかみつき,そのせいでAがマンションを退去してしまったため,賃貸人Bが犬の飼い主Cに対し,Aから支払われるはずだった賃貸借契約期間満了までの間の賃料等の損…

最高裁H24.10.12判決:会社の新設分割が詐害行為に当たるとされた事例

最高裁平成24年10月12日判決は、「会社分割に伴う資産移転が債権者に損害を与える場合、もとの会社の債権者は資産移転を取り消す権利がある」との初の判断を下しました。 会社分割は平成12年の商法改正で導…

倍額賠償予定条項について

 建物賃貸借契約には「契約終了後,物件の明渡を遅滞した場合には,契約終了から明渡完了までの間,賃料相当額の2倍相当の損害金を支払う」という条項(倍額賠償予定条項)がついていることがあります。  このよ…

定額補修分担金特約について

建物賃貸借契約に関する特約については,重要な最高裁判例が相次ぎ,通常損耗負担特約,敷引特約,更新料特約の各問題について結論が出されました。最高裁の判断がまだなされていない特約としては,定額補修分担金特…

通常損耗負担特約の有効性について

 賃貸物件では,退去の際,賃借人が物件をきれいにして賃貸人に返さなければなりません。 これを「原状回復義務」といいます。 ただしこの原状回復義務には,経年変化(時間の経過によって発生する劣化)や通常損…

代理受領による債権回収(仙台高裁H21.10.28)

代理受領とは,債務者が,債権者に対し,債務者の第三者(「第三債務者」といいます)に対する債権の弁済受領権限を委任することを言います。つまり,債権者としては債務者に資力がなくとも第三債務者から弁済を受け…

最新判例(最高裁H24.1.17):マンションの区分所有者が管理組合の役員を中傷する文書を配布するなどした行為は区分所有法上の差止め請求の対象となりうるとした判例

当該事案は,マンションの区分所有者の一人が,マンションの管理組合の役員が修繕積立金を不当に運用したなどと記載したビラを配ったり,付近の電柱に張り付けるなどの行為を繰り返し,またマンションの修繕業者に意…

最新裁判例:非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする規定の合憲性について

被相続人が一度も婚姻したことがない状態で非嫡出子が出生し,その後被相続人が婚姻して嫡出子が生まれたという事案において,名古屋高裁は,「嫡出子と非嫡出子の相続分を区別する民法900条4号但書前段の規定は…

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