
弁護士に依頼した後、破産手続がどのように進むのかを見てみましょう。
1 ご契約・ご依頼
弁護士に負債状況、資産状況などを相談し、破産するのが相当であると決心されたらご依頼ください。契約書・委任状を作成し、事件処理がスタートします。
2 受任通知の発送
ご依頼頂きましたら1両日中に受任通知を全ての債権者に送付します。弁護士からの通知が到着しますと、それ以降債権者から取り立てなどの連絡はなくなります。
3 取引履歴の開示
受任通知を送付した各債権者から、弁護士のもとに取引履歴が届きます。
これには、依頼者の方がいつ、いくら債権者との間で取引をしたのかが書かれていますので、これをもとに正確な債務額を計算します。
4 破産申立書類の準備
取引履歴が到着するまでの間に、弁護士と打ち合わせを重ねて申立書を準備します。
裁判所に破産を申し立てるのに必要な書類は多数ありますが、弁護士から指示を受けながら順番に用意していきましょう。
5 破産申立書の提出
申立書の準備が整いましたら、弁護士が代理人となって裁判所に破産の申立を行います。
提出された申立書は裁判所がチェックし、場合によっては裁判所から追加で資料の提出を求められたり、確認事項の照会などが行われます。
6 破産手続開始決定
申立書によって申立人が支払不能状態にあると判断されれば、破産手続開始決定がなされます。破産手続開始決定がされたことは官報に掲載されます。
ここまではどの破産事件でも手続の流れは同じです。
以降、各手続ごとの流れをみてみましょう。
同時廃止事件の場合
免責
同時廃止事件の場合には、破産開始決定と同時に破産手続は終了します。
続いて免責手続(債務を免除する手続)が行われます。
免責手続においては、事案の内容、裁判所によって免責審尋が行われる場合があります。
これは、破産者が裁判所に出頭し、裁判官の面談を受けて免責不許可事由がないかどうかのチェックを受ける手続です。
免責審尋で問題がないと判断されれば、裁判所が免責決定を行います。
免責決定は官報に公告され、約1か月後に免責が確定し、破産者は復権します。
管財事件の場合
予納金の納付
管財事件の申立があると、裁判所から予納金の納付書が送付されます。これに従い、必要な予納金を納付します。
破産管財人の選任,債権者集会期日の決定
管財事件では、破産手続開始決定と同時に破産管財人が選任され、債権者集会の日程も決定されます。
破産管財人との面談
破産管財人が決定した旨の連絡を受けたら、近日中に破産管財人との面談を行います。
破産管財人は申立の際に提出された資料をもとに事案を検討し、見落とされてる財産はないか、届け出がなされていない債権はないかなどを調査します。
破産管財人の調査に協力することは破産者の義務であり、調査に協力しない場合には免責が認められない場合がありますので正直に調査に応じましょう。
破産管財人による調査・換価
債権者集会までの間、破産管財人は破産者の財産・負債を調査し、財産を換価して配当するための財団を形成します。
債権者集会
破産管財人が、それまでに行った財産調査の状況などを債権者に報告します。破産者も債権者集会に出頭します。
配当
破産管財人は、破産者の財産を換価し、債権額に応じて公平に債権者に配当します。
任務終了集会・免責審尋
破産管財人が配当を終えて任務を終了したことを報告します。併せて破産者に対する免責審尋が行われます。
免責
裁判所が破産者の免責を決定します。
免責決定は官報に公告され、約1か月後に免責が確定し、破産者は復権します。