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コンプライアンス(法令遵守)という言葉は多くの企業で謳われていますが、経営者の方の中には、「うちとは無関係」「余力のある大企業の話」と考えていらっしゃる方もおみえではないでしょうか。
ですがそうではありません。コンプライアンスが守られていないということは、要するにいつ従業員から訴えられてもおかしくない違法な状態ということです。
これまで何件もの労働事件をみてきましたが、その多くの事件では、会社側は良識的に従業員を扱っており、一般的な労働環境以上の環境を提供していました。会社の売り上げから見て過分な給料が支払われていたケースもあります。それでも、就業規則が作成されていない、出退勤時間が管理されていない、適切な解雇処理がなされていない会社は、従業員からの訴えに対抗できません。
これだけ配慮してやっていたのに裏切り行為だと怒る社長には同情しますし、普通人の感覚で考えると、むしろ従業員の方に問題のあるケースも多いのですが、法令に違反している以上、争える余地はありません。
例えば従業員が残業と称して喫茶店でいつも時間をつぶしていたので懲戒解雇した、などという事案では、事実がそのとおりだとしても、本当に喫茶店にいたことを裏付けられなければなりませんし、それが慢性化していて、何度指導しても改善しなかったことを証明しなければなりません。懲戒解雇が適切だったことを示すすべての証拠を、会社が提出しなければならないのです。
それができなければ、逆にその不届きな従業員から解雇無効を訴えられ、解決するまで給料を支払い続けるはめになります。その損失額を負担するのと、適切な労務管理費を支払うのと、どちらが経済的に効率性がよく、また会社の経営の安定性に資するでしょうか。
当事務所では、就業規則の作成、労働条件の変更、解雇に関するトラブル、セクシャルハラスメント・パワーハラスメントに関する問題など、労務問題全般についてご相談に応じます。まずはお気軽にご相談ください。
※コンテンツ内で事例をご紹介する場合、作成当時の法律に基づきますので最新の判例と異なる可能性があります
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