この半年ほど,市営プールで泳いでから市営図書館で本を借りて帰り,家でダラダラ本を読んで過ごすというのが我が家の定番です。
こんなに健全で安上がりな趣味,ちょっと他にないんじゃないでしょうか。
夫は経済とアジア関連,長女は秘密の恋愛関連,長男はウルトラマン関連と,それぞれせっせと読み漁っています。
私の今週のラインナップは・・・
①生命40億年はるかなる旅(NHK出版)
アウストラロピテクスが地上に現れてまだ400万年しか経っていませんが,恐竜は1億6000万年の間地上を支配していました。ですが恐竜はまだ500種類ほどしか発見されていません。まだ私にも新種発見の可能性は十分残されています。
ミッシングリンクを発見して第2のダーウィンになる野望は捨てきれないところです。
②マリッジ・プロット(ジェフェリー・ユージェニデス著)
まだ読みかけなので批評は控えますが,いまのところあんまりおもしろくない(恋愛小説が楽しくなくなったのはいつからだろう・・・)。
③謎の独立国家ソマリランド(高野秀行 著)
アフリカの紛争地帯の真っただ中に銃不要の平和国家がある(本当にある)という驚きの現地レポート。草食動物・日本人には到底理解しがたい猛獣の掟に翻弄される著者の体当たりぶりが笑えます。実は借りるのは2回目,面白かったのでもう一度読み直してみます。
④さらば,食糧廃棄(シュテファン・クロイツベルガー,ヴァレンティン・トゥルン 共著)
ドイツの映画監督がいつまでも古くならない食糧廃棄問題を真面目に論じてます。見た目だけを問題にする農産物規格,使用期限と無関係な賞味期限,その結果生産から消費までの間に50%以上廃棄される食品,廃棄物を確信的に拾う活動家,それを窃盗罪とみなす法規制・・・。
ちょっと切り口が王道すぎる感がありますが,最近イオンなどの大手小売業者が,3分の1ルール(製造者が小売業者へ加工品を納品できる期間を製造日から賞味期限までの3分の1以内の期間とするルール)を変更し,製造日から賞味期限までの2分の1までの期間納品できるようにする実験を始めたというニュースがあったり,小売業者も頑張っているようなので,消費者も真面目に考えてみるべきかと思います。
⑤世界美術紀行 ウィーン美術史美術館・セガンティーニ美術館
中野京子さんの「怖い絵」シリーズ(西洋古典絵画を軽妙かつドラマチックに解説した快著)にはまって以来,美術関連本を読み漁っています。
ウィーン美術史美術館にはうまいのか何なのかよく分からないブリューゲルの絵がたくさん所蔵されているようです。セガンティーニといえば「悪しき母たち」という絵をもっと大きな画面で見たいと思ったのですが,残念ながらセガンティーニ美術館には所蔵されていませんでした(オーストリア国立美術館にあるようです)。
図書館を徘徊していると,世の中知らないことだらけです。
まあ人類とサルとをつなぐミッシングリンクが発見されようがされまいが,精神異常者によって硫酸で焼かれたレンブラントの「黄金のダナエ」が修復されようがされまいが,ソマリアにおけるソマリランドの平和がいつまで続こうが日常生活に何の影響もないですが,「知ることは楽しい」という単純な要求が満たされるまで,しばらく図書館探検を続けようと思います。
2013/07/30