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不動産の管理にまつわるトラブルは多岐にわたりますので、特にご相談の多い賃貸物件の明け渡しについてご説明します。不動産管理に関するその他の問題点については、最新情報の欄でもご紹介していますのでそちらをご覧ください。
建物所有を目的とする借地契約は、借地借家法によって保護されています。こうした契約の場合、どのような場合に契約を終了させることができるでしょうか。
地代の滞納など契約違反がある場合には、契約を解除することができます。ただし、賃借人に大きな不利益が及ぶのを避けるため、当事者間の信頼関係を破壊するような重大な契約違反であることが必要であるとされています。
従って、1か月分の地代の滞納で直ちに契約を解除することはできず、過去に何度も滞納している、保証金の額に比べても滞納額が多額になっているなど、契約を解除されても仕方がないと認められるような事情が必要です。
建物所有目的の借地契約の場合 |
平成3年10月4日の法改正により、それ以降に締結された契約の存続期間は30年と定められ、契約でそれより短い期間を定めても、自動的に30年とみなされます(借地借家法3条)。以降、最初の更新時には20年、2回目以降の更新時には10年、契約期間が延長されます。 契約期間中に建物が取り壊され、再築された場合、賃貸人の承諾があれば、契約期間は承諾の日または再築された日のいずれか早い方から20年となります(ただし、もともとの契約期間の方が長い場合にはそれに従います)。 |
建物所有目的の借地契約の場合 (平成3年以前の契約) |
平成3年10月3日以前に締結された契約の場合、どのような建物を建てる目的であるかによって扱いが異なります。 【堅固な建物を所有する目的の場合】 【それ以外の建物を所有する目的の場合】 いずれの建物でも、契約期間中に建物が再築され、賃貸人がこれに遅滞なく異議を述べない場合、契約期間は、以前の建物が滅失した時点から堅固建物なら30年、それ以外の建物なら20年に延長されます(もともとの契約期間の方が長い場合にはそれに従います)。 |
契約期間満了時には、賃貸人は契約の更新を拒絶することができます。
ただし、更新拒絶には正当事由が必要とされ、正当事由の判断には、当事者双方が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過、土地の利用状況、立退料の提示の有無などが総合的に考慮されます。
更新拒絶が認められない場合、さらに堅固建物なら30年、それ以外の建物なら20年、契約期間が更新されます。
※平成3年以降の契約が更新されるのは早くて平成33年からとなります。
したがって、上記記載は平成3年以前の契約であることを前提としています。
建物賃貸借の場合、契約期間は自由に定めることができますが、契約期間満了の1年前から6か月前までに更新拒絶をしなければ、同じ条件で契約が更新されます。
また、賃貸人が契約期間中に解約を申し入れた場合、申し入れから6か月後に契約は終了します。
ただし、更新拒絶、解約申し入れ、いずれの場合にも、正当事由が必要とされることに注意が必要です。正当事由の有無の判断に当たっては、当事者双方が建物の使用を必要とする事情、契約に関する従前の経過、建物の利用状況、建物の現況、立退料の提供などが総合的に判断されます。
契約が終了したにも関わらず賃借人が物件を明け渡さない場合、裁判所に不動産明渡訴訟を提起し、裁判所から賃借人に物件の明渡を命じる判決を得て、強制執行によって立ち退かせる必要があります。
明渡訴訟を提起するに当たっては、賃貸借契約書、契約の終了を明らかにする書類(賃料の入金履歴、契約解除通知書の控え、更新拒絶通知書の控えなど)、不動産登記簿謄本、固定資産税評価証明書などの資料が必要です。
訴状の記載方法には専門的な知識が必要になりますので、弁護士にご相談ください。 無事に判決を得たにも関わらず、賃借人が任意に立ち退かない場合、強制執行によって立ち退かせる必要があります。
裁判所に収める執行費用のほか、賃借人を退去させるために内部の荷物を運び出す費用(借家の場合)などを負担する必要がありますが、物件の状況によって費用は異なります。
※コンテンツ内で事例をご紹介する場合、作成当時の法律に基づきますので最新の判例と異なる可能性があります
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