名古屋地方裁判所管内の破産同時廃止基準が、平成30年1月より改定されることになりました。
破産事件では、本来、管財人が選任され、管財人が破産者の資産状況を調査し、資産を処分してそのお金で債権者に配当したり、またその破産者が債務を免れることが相当かどうか、それまでの経緯を調査します。
ですが、破産者の中には、管財人による詳細な調査をするまでもなく、債権者に配当できるような資産が何もないことが明らかなケースもあります。
そのような場合には、管財人を選任することなく、破産が認められると同時に手続が終了します。これを同時廃止(破産法216条1項)といいます。
同時廃止となる場合には、手続終了までの期間が非常に短く、また裁判所に納めなければならない費用が少額で済むため、破産を申し立てる人にとっては、手続的・経済的負担が軽くて済みます。
では、債権者に配当できるような資産が何もないことが明らかなケースとは、どのような場合をいうのでしょうか。
これについて定めた名古屋地方裁判所管内の運用基準が、来年から改定されることとなりました。
大きく変わった点は以下の通りです。
1 手持ち現金と普通預金の合計額が50万円未満であること
2 手持ち現金と普通預金以外の財産は、財産項目ごとの合計額が20万円未満であること
3 手形小切手、売掛金、在庫商品等、機械工具什器備品などの事業用財産が増額20万円未満であること
上記基準を満たす場合でも、財産調査の必要性が認められる場合・否認権行使の可能性がある場合・免責不許可事由が認められる場合には、同時廃止が認められない場合があります。
これらは具体的なケースごとに判断されますので、弁護士にご相談ください。
2017/11/06